ご…500円?ワンコインなんですか?
破格の値段に、一同びっくり。
そりゃ行列に並んでまで買おうとしますよ。
このボリュームで、このSNS映えする見た目で、ワンコインだなんて。
安い。安過ぎる。
我らが『メルヘン・クレープ』のイチゴクレープと同じ値段。
素人が作る下手くそクレープより、そりゃ流行盛りだくさんパフェの方が良いに決まってる。
「な…何でそんなに安いんですか…?」
創立記念祭と言えども、利益度外視にも程があるでしょう。
品物には適正価格ってものがあると思うんですよ。僕は。
市場の平均価格より、高過ぎても安過ぎてもいけない。
…すると。
「あぁ成程。さっき言ってましたね。生徒会の屋台だって」
唱先輩が、何やら納得したように言った。
「そう。生徒会だからこそ出来ることだ」
李優先輩まで。
生徒会…。さっき言ってましたね、パフェを販売しているのは生徒会運営の屋台だって…。
「思い出した。そういや奴ら、去年も暴れてたな」
まほろ部長も。
あ…暴れてた?
「生徒会が…何か関係あるんですか?」
「生徒会はな、小羽根。毎年、生徒会特権の多額の運営資金を元手に、破格の値段でとんでもなく豪華なメニューを提供する屋台を開くんだ」
えっ。
「去年は確か、ピザ屋だったな」
「あぁ。タラバガニとオマール海老のピザ、なんて豪華なピザを、一枚500円で売ってた」
「…!?」
タラバガニと、オマール海老?
そんな高級食材を使ったピザを、またしてもワンコインで?
そう言われて、僕も思い出した。
以前、加那芽兄様と一緒に創立記念祭に遊びに来た時。
確か、ワンコインで特選霜降り和牛丼が食べられる屋台に、大勢のお客さんが殺到していた。
僕は食べなかったけど、お客さんが群がる屋台を見て、「あの屋台凄いですね」と加那芽兄様に言うと。
「あぁ。あれは生徒会の屋台だろうね」と答えていた。
生徒会って凄いなー、と朧気に考えていたのを覚えている。
…あれ、毎年の伝統だったのか。
「畜生…。自分らだけ潤沢な資金を元手に、インスタ蝿共をホイホイしやがって…!卑怯だぞ!」
「しょうがないだろ…。去年もそうだったじゃん」
「不平等だー!」
僕もそう思いますけど、こればっかりは仕方ないじゃないですか。
元手の乏しい僕達は、ここで悲しく、閑古鳥がぴよぴよこけこっこー、と鳴くのを聞いているしかない。
…せめて、一人でもお客さんが来てくれたら良いなぁ…。
…と、思っていたその時。
「こんにちは」
「!!」
本日初めて、『メルヘン・クレープ』のお客さんがやって来た。
そして、その人物は。
破格の値段に、一同びっくり。
そりゃ行列に並んでまで買おうとしますよ。
このボリュームで、このSNS映えする見た目で、ワンコインだなんて。
安い。安過ぎる。
我らが『メルヘン・クレープ』のイチゴクレープと同じ値段。
素人が作る下手くそクレープより、そりゃ流行盛りだくさんパフェの方が良いに決まってる。
「な…何でそんなに安いんですか…?」
創立記念祭と言えども、利益度外視にも程があるでしょう。
品物には適正価格ってものがあると思うんですよ。僕は。
市場の平均価格より、高過ぎても安過ぎてもいけない。
…すると。
「あぁ成程。さっき言ってましたね。生徒会の屋台だって」
唱先輩が、何やら納得したように言った。
「そう。生徒会だからこそ出来ることだ」
李優先輩まで。
生徒会…。さっき言ってましたね、パフェを販売しているのは生徒会運営の屋台だって…。
「思い出した。そういや奴ら、去年も暴れてたな」
まほろ部長も。
あ…暴れてた?
「生徒会が…何か関係あるんですか?」
「生徒会はな、小羽根。毎年、生徒会特権の多額の運営資金を元手に、破格の値段でとんでもなく豪華なメニューを提供する屋台を開くんだ」
えっ。
「去年は確か、ピザ屋だったな」
「あぁ。タラバガニとオマール海老のピザ、なんて豪華なピザを、一枚500円で売ってた」
「…!?」
タラバガニと、オマール海老?
そんな高級食材を使ったピザを、またしてもワンコインで?
そう言われて、僕も思い出した。
以前、加那芽兄様と一緒に創立記念祭に遊びに来た時。
確か、ワンコインで特選霜降り和牛丼が食べられる屋台に、大勢のお客さんが殺到していた。
僕は食べなかったけど、お客さんが群がる屋台を見て、「あの屋台凄いですね」と加那芽兄様に言うと。
「あぁ。あれは生徒会の屋台だろうね」と答えていた。
生徒会って凄いなー、と朧気に考えていたのを覚えている。
…あれ、毎年の伝統だったのか。
「畜生…。自分らだけ潤沢な資金を元手に、インスタ蝿共をホイホイしやがって…!卑怯だぞ!」
「しょうがないだろ…。去年もそうだったじゃん」
「不平等だー!」
僕もそう思いますけど、こればっかりは仕方ないじゃないですか。
元手の乏しい僕達は、ここで悲しく、閑古鳥がぴよぴよこけこっこー、と鳴くのを聞いているしかない。
…せめて、一人でもお客さんが来てくれたら良いなぁ…。
…と、思っていたその時。
「こんにちは」
「!!」
本日初めて、『メルヘン・クレープ』のお客さんがやって来た。
そして、その人物は。