「…クレープ、駄目なんだ…」

「…」

自分の案は何やら通りそうにない、という雰囲気を察した萌音先輩。

しょぼーん、と落ち込んでいた。

…そんな顔しないでくださいよ。僕が悪いことしたみたいじゃないですか。

「食べたかったな…クレープ…」

「いや…。別に、僕達は作る側であって、食べる側じゃないと思いますけど…」

「…クレープ…」

「…」

…なんか、その。

…済みません。

すると、そんな萌音先輩を見かねたらしく。

「…そんな顔するな、萌音」

李優先輩が、ぽん、と萌音先輩の頭に手を置いた。

「大丈夫だ。創立記念祭までに、練習しておくから。ちゃんと作れるよ」

「…ほんと?クレープ食べれる?」

「…まぁ、うん。余れば食べれるよ」

「やったー。ありがとう李優。大好き」

ぎゅっ、と李優先輩に抱きつく萌音先輩。

はい、御馳走様でした。

「それじゃ、クレープ屋で決まりだな。クレープを買ってくれた人に、漏れなく活動記録冊子をプレゼント、ってことで!」

「…それ、もらってくれる人いるんですか…?」

あ、クレープだけで結構です。って言われるのでは?

…例えクレープだけで結構ですと言われても、活動記録冊子は、頑張って作りますね。