僕は、MKバーガーの美味しさに感動しながらいただいた。

庶民である僕の口にぴったりで大満足、だったのだけど。

…この辺で、ちょっと問題が発生。

…いや、大した問題ではないんですが。

「…ふー…」

「おい後輩君。何休んでんだ。ビッグMKバーガー食べ終えたんなら、次はこれだろ」

と言って、まほろ部長は別のハンバーガーの包みを差し出してきた。

今度は、てりやきMKバーガーである。

「…う…」

「何だ。てりやき嫌いか?」

いや、てりやきが苦手なのではなく…。

「それとも、しょっぱいもの食べたから、今度は甘いものが欲しいのか?シェイクあるぞ、バニラとストロベリー」

「ソフトクリームもありますよ。はい」

まほろ部長と唱先輩が、次々とトレーの上の食べ物を勧めてくれたのだけど。

「ちょっと…あの…遠慮しておきます」

「何だと?『MKハンバーガー』のシェイクが飲めないって言うのか!?」

「そ、そうじゃないですけど…」

甘いものは好きなんですよ。シェイクも、ソフトクリームも…。

だけど、そうじゃなくて…。

「…まさか小羽根さん。あなた、もうお腹いっぱいだなんて言うつもりじゃないですよね」

ぎくっ…。

そ、それは…その…。

「まだ離脱されちゃ困りますよ。…ほら、こんなに残ってるんだから」

「うっ…」

テーブルの上のトレーには、まだまだたくさんのメニューが並んでいる。

「ビッグMKバーガー一個で音を上げるとか、君はもやしかよ」

と、まほろ部長になじられた。

もやしで悪かったですね。良いじゃないですか。もやし美味しいし。

「ビッグ」という名を冠するだけあって、一つ食べただけで、結構ずっしり来る。

濃い味だったのも災いしているような気がする。

それとも、空きっ腹にいきなり、ジャンクなハンバーガーを詰め込んでしまったせいだろうか。

「でも、ビッグMKバーガーって、一つだけでコンビニのおにぎり3個分くらいのカロリーがあるだろ」

と、李優先輩が言った。

えっ、そんなにあるんですか?

「それにポテトまで摘んでたんだし、腹にずっしり来るのは無理もないと思うぞ」

「そ、そうなんですか…」

この一個のハンバーガーに…そこまでのパワーが…。

「とはいえ、ハンバーガー一個でギブは早過ぎるぞ。まだまだ残ってるんだ。もっと消費してくれ」

「うっ…。…わ、分かりました。少し…休んでから、再開します…」

今はほら。初めて『MKバーガー』のハンバーガーを食べたばかりだから。

初めての味に、胃がびっくりしただけです。

しばらく休憩したら、また、今度は別のハンバーガーをいただきます。

「小羽根君、箸休めにナゲット食べない?」

「あ、ありがとうございます…。でも、僕にとってナゲットは箸休めにならないので、遠慮しておきます…」

とりあえず、10分くらい休憩。