注文してから、およそ15分ほどで。

「お待たせしましたー。16番のお客様ー」

「16?はいはいはーい!」

まほろ部長の頼んだ注文が揃った。

何枚ものトレーに、注文した商品がこれでもかと乗っている。

「はいはい、君達も運んで運んで」

「…はい…」

5人皆で、トレーをテーブルに運搬。

ようやく、テーブルの上に注文した商品が全部揃った。

…圧巻。の一言に尽きますね。

「…どうするんだ?これ…」

「どうするもこうするも、食べるしかないでしょう。注文したんだから」

…ですよね。

「わーい。ポテトおいしー」

萌音先輩は、早速ポテトを摘んでいた。

早いですね。

って言うか、Lサイズのポテトって、こんなにたくさん入ってるんだ…。

それが合計3つも…。一体じゃがいも何個分なんだろう。

勿論、ポテト以外にも、山のようなハンバーガーも忘れてはいけない。

「小羽根さん、どれ食べます?」

「あ、どうぞ…。僕はよく分からないので、余ったので結構です…」

「これだけあるのに、余るはずありませんよ」

うっ。ごもっとも。

「まぁ、初めてならビッグMKバーガーが良いですかね。どうぞ」

「ありがとうございます…」

唱先輩は、僕に真ん丸とした包み紙を渡してくれた。

これがビッグMKバーガー…。結構どっしりとした重さですね。

そうっと包み紙を開けてみると、芳醇なハンバーガーの匂いがむっと立ち昇った。

おぉ。これが噂の。

白ごまのかかったバンズの間に、肉厚なパティ、レタス、ソース、オニオン。

更にバンズの間にもパンが挟まっていて、その下にまたパティ、レタス、ソース、オニオンやピクルスが挟まっている。

二階建てって感じがしますね。

美味しそう。

でも、これって豪快に齧り付くのが正解なんだろうか。

かなり分厚いし、ナイフとフォークで切りながら食べ、…って。

「もぐもぐ。バーガー美味しいね」

「…萌音先輩…」

僕が躊躇っている間に、萌音先輩はビッグMKバーガーの包み紙を剥ぎ。

豪快に、口の端をソースでべたべたに汚しながら、ハンバーガーに齧り付いていた。

片手にハンバーガー、片手にポテトを摘み、ドリンクにストローを刺して、ちゅー、と吸っている。

…ワイルドですね、萌音先輩は。

「萌音、お前…」

これには、恋人の李優先輩も堪らずお小言を…言うかと思ったが。

「美味しいねー」

にこー、と嬉しそうな萌音先輩に。

李優先輩は、はー、と溜め息をつき。

「…せめて口元を拭きなさい」

「ふぇ〜」

紙ナプキンで、ごしごしと萌音先輩の口元を拭いてあげていた。

大変微笑ましい光景を、ありがとうございます。