とはいえ、加那芽兄様の頼みでなくても。

久し振りに、趣味の小説を書くのは意外に楽しかった。

どんな話を書こうかなって、色々考えたんだけど。

現代からおよそ2000年後、人類が滅亡した世界で、ただ一人生き残った人間である主人公が。

宇宙船を造って、地球に代わる新たな新天地を目指して遠い宇宙に旅に出る。

…みたいな話にする予定である。

ありがちなSF小説ですね。

でも、ありがちなストーリー、くらいが丁度良い。

大体、自分が楽しむことが最優先で、あとは…加那芽兄様が読むだけなんだから。

好き勝手に好き勝手なことを書けるのが、小説の良いところですよね。

今回も、いつものように、普通の大学ノートに小説を書き始めた。

しかし、これが後に仇になるとは、この時の僕は予想だにしていなかった。