あまりの理不尽に、ふつふつと怒りが込み上げてきた。

「…大丈夫か、小羽根。顔が般若みたいになってるぞ」

よく気づきましたね、佐乱先輩。

「はい…。あまりに身勝手な部長の口に、梅干しバナナソーダを流し込んでやろうかと考えていたところです」

「ちょ、過激!後輩君!やんないよな!?」

やりたいです。済みません。

それくらいしても許されるのでは…?

血は血を以てしか贖えないって、加那芽兄様が前に言ってました。

「僕はホラー映画なんて好きじゃありませんよ…」

「それじゃ、心霊研究部にしよう!どうだ?」

何が「どうだ?」なんですか。

すると、弦木先輩がふと、思い出したように言った。

「俺がこの間読んだ小説に、そんな名前の部活がありましたね。略して心研部だそうです」

「お、マジ?そんじゃ丁度良いじゃん。今日から自分ら、芸術研究部改め、心霊研究部ってことで」

ちょっと。そんな勝手に。

天方部長は、部活動名称変更届けに、さらさらと新しい部の名前を書き込み。

それを、佐乱先輩に渡した。

「よーし、李優君。これ提出してきて」

「はぁ…またかよ…」

あぁ、そんな…。健全な部活だったのに、段々と汚染されていく…。

…とりあえず僕、また新しい部活に変更されるまで、しばらく休部しても良いかな?