で、迎えた翌日。

放課後なんて永遠に来なければ良いのになぁ、と思いつつ。

そういう時に限って、いつもは退屈な授業が、体感あっという間に終わるのは何故なんだろう。

来てしまった。また。放課後の時間が。

…やっぱり「急用が出来ました」って言って、逃げ帰っても良いかな。

しかし、そんなことをしても無駄である。

そんな下手な言い訳をしても、「そうなの?じゃあ明日に回そっか」と延期されるのがオチ。

結局は逃げられないのである。

ならば、いっそ覚悟を決めるしかなかった。

ぶるぶる。

部室に行ったら、やっぱり映画上映取りやめになってないかな、と最後の望みを託して向かったが。

相変わらず、全部の窓を締め切って、カーテンをひいて真っ暗にしていた。

あっ…やっぱり無理そう。

せめて電気をつけてから観てくれれば良いのに。何でわざわざ消すんですか?

やめましょうよ。

「おっ、後輩君。いらっしゃい」

僕の怯えと恐怖も知らず、天方部長は呑気な声で僕を出迎えた。

しかも、まだ映画上映始まってもないのに、もうポップコーン食べてる。

「今日も…ポップコーンなんですか?」

「そりゃそうだよ。映画のお供にはジュースとポップコーン。常識だろ?」

そうですか。

僕は、映画館では音を立てて人様に迷惑をかけたくないので、ジュースやお菓子は食べない主義です。

それは個人の好みだと思いますけどね。

「小羽根君、ジュースあるよ」

「あ、久留衣先輩…。…今日は何のジュースですか?」

今度こそ、オレンジジュースとかココアとか…まともな飲み物を、

「トマトコーラとチーズコーラと、納豆コーラとコーヒーコーラとサルミアッキコーラがあるよ」

あぁ…絶妙にどれも不味そう。

「どれが良い?」

どれも要らないです。と言いたいけど…。

「サルミアッキ以外なら、何でも良いです…」

「じゃあ納豆コーラあげるね。はい」

あぁ…よりによって二番目に不味そうな味…。

それでなくても炭酸飲料苦手なのに…。

加那芽兄様…これは何の罰ゲームなんでしょう。

「よーし、そんじゃ早速上映始めるぞー。皆席につけ」

あぁ…始まってしまう。またしても、地獄の時間が…。

ワンチャン、意外と2の方が怖くなかった、ってオチにならないかなぁ…。

…と、儚い望みを抱いていた頃が、僕にもありました。