その後も、天方部長の『frontier』グッズフォルダに眠るお宝の数々を見せてもらった。
よくもまぁ、こんなに集めましたね。
そして、天方部長の楽しそうなこと。
「集めたグッズを眺めてると、めちゃくちゃ満たされるんだよね〜。これだけでご飯三杯は行ける!みたいな」
ほくほくと。まるで宝物について話す子供のように。
実際、天方部長にとってはこれらは宝物な訳ですから、あながち間違ってはいませんね。
「どのグッズも捨て難いけど、やっぱり『frontier』と言ったら、お洒落なコスメグッズやアクセサリーが一番集めてて楽しいんだよ」
「そ、そうなんですか」
「ほら。メンバーごとにデザインが違ってんの。見てよ、このマニキュア」
「へぇ…」
5つのマニキュア、それぞれケースの色が違ってる。
メンバーごとのイメージカラーなんですかね。
コンプ勢に全種類買わせようという、生産者の策略ですか。
…それにしても、さっきから気になることがある。
天方部長の言う通り、どのグッズもとてもお洒落なんですけど…。
「なんか…。なんて言うんですかね、これ…。黒っぽくて…ご、ゴシックな感じ…?」
『frontier』の…イメージなんでしょうか?これが。
俗に言う、ゴシックロリータ的なデザインが多い。
さっき見せてもらった、ベアトリーシュさんという女性メンバーの画像も。
妙に黒くてフリフリした衣装が目立っていた。
「あぁ、アレね。メンバーの趣味と言うよりは、スポンサーの…『frontier』の事務所の上の人の趣味だ、って聞いたことがあるな」
「は、はぁ…。メンバーさんの趣味ではないんですか…?」
「らしいよ。ボーカルのルトリアは、いつも恥ずかしがってるみたいだし」
メンバーが恥ずかしがってるのに、上の人の威光でこんな衣装ばかり着せられるんですか。
ある種のパワハラですね…。ゴスロリハラスメント。
「でも、似合ってるから良いじゃん。なぁ?お洒落だし」
「そ、そうですね…」
これってお洒落なんですか?僕には分からないけど…。
「お、そうだゴスロリと言えば…これ。最新の『frontier』コラボグッズなんだけど」
と言って、天方部長は別のグッズの写真を見せてくれた。
またアクセサリーですね…。えぇっと、これは…。
「指輪…?ネックレス?ですか?」
「リング・ブレスレットって言ってな。ブレスレットと指輪が繋がってんだよ。お洒落だろ?」
「へぇ…。本当にお洒落ですね」
これはお世辞じゃありませんよ。本当にお洒落だと思ってます。
繊細な細いシルバーのチェーンに、青い薔薇のチャームがついていて、リングに『frontier』のロゴが彫られている。
コラボグッズじゃなくても、ただのリング・ブレスレットとして凄く綺麗。
「これ、天方部長も持ってるんですか?」
「それがさー、是非手に入れたかったんだけど、これが…」
…これが?
突然、気分良く話していた天方部長の声が低くなった。
「…今度のライブ限定グッズだったんだよね。チケット取れなかったけど」
「あっ…」
…済みません。励ますつもりが…地雷踏んじゃいました。
そんなつもりじゃなかったんです。
結局…そこに戻ってくるんですね。
「…はぁぁぁ!ライブ行きたかったぁぁぁ…」
「そ、そうですか…。仕方ないですよ。そういうこともありますよ…」
「まー、ライブ行けたとしても…このリングブレス、受注生産限定で、結構お値段高いからさー…。買えたかどうか分かんねぇけど…」
ずーん、と落ち込む天方部長。
「はぁ、辛い…。つらたにえん…」
…つらたにえんって何ですか?
よくもまぁ、こんなに集めましたね。
そして、天方部長の楽しそうなこと。
「集めたグッズを眺めてると、めちゃくちゃ満たされるんだよね〜。これだけでご飯三杯は行ける!みたいな」
ほくほくと。まるで宝物について話す子供のように。
実際、天方部長にとってはこれらは宝物な訳ですから、あながち間違ってはいませんね。
「どのグッズも捨て難いけど、やっぱり『frontier』と言ったら、お洒落なコスメグッズやアクセサリーが一番集めてて楽しいんだよ」
「そ、そうなんですか」
「ほら。メンバーごとにデザインが違ってんの。見てよ、このマニキュア」
「へぇ…」
5つのマニキュア、それぞれケースの色が違ってる。
メンバーごとのイメージカラーなんですかね。
コンプ勢に全種類買わせようという、生産者の策略ですか。
…それにしても、さっきから気になることがある。
天方部長の言う通り、どのグッズもとてもお洒落なんですけど…。
「なんか…。なんて言うんですかね、これ…。黒っぽくて…ご、ゴシックな感じ…?」
『frontier』の…イメージなんでしょうか?これが。
俗に言う、ゴシックロリータ的なデザインが多い。
さっき見せてもらった、ベアトリーシュさんという女性メンバーの画像も。
妙に黒くてフリフリした衣装が目立っていた。
「あぁ、アレね。メンバーの趣味と言うよりは、スポンサーの…『frontier』の事務所の上の人の趣味だ、って聞いたことがあるな」
「は、はぁ…。メンバーさんの趣味ではないんですか…?」
「らしいよ。ボーカルのルトリアは、いつも恥ずかしがってるみたいだし」
メンバーが恥ずかしがってるのに、上の人の威光でこんな衣装ばかり着せられるんですか。
ある種のパワハラですね…。ゴスロリハラスメント。
「でも、似合ってるから良いじゃん。なぁ?お洒落だし」
「そ、そうですね…」
これってお洒落なんですか?僕には分からないけど…。
「お、そうだゴスロリと言えば…これ。最新の『frontier』コラボグッズなんだけど」
と言って、天方部長は別のグッズの写真を見せてくれた。
またアクセサリーですね…。えぇっと、これは…。
「指輪…?ネックレス?ですか?」
「リング・ブレスレットって言ってな。ブレスレットと指輪が繋がってんだよ。お洒落だろ?」
「へぇ…。本当にお洒落ですね」
これはお世辞じゃありませんよ。本当にお洒落だと思ってます。
繊細な細いシルバーのチェーンに、青い薔薇のチャームがついていて、リングに『frontier』のロゴが彫られている。
コラボグッズじゃなくても、ただのリング・ブレスレットとして凄く綺麗。
「これ、天方部長も持ってるんですか?」
「それがさー、是非手に入れたかったんだけど、これが…」
…これが?
突然、気分良く話していた天方部長の声が低くなった。
「…今度のライブ限定グッズだったんだよね。チケット取れなかったけど」
「あっ…」
…済みません。励ますつもりが…地雷踏んじゃいました。
そんなつもりじゃなかったんです。
結局…そこに戻ってくるんですね。
「…はぁぁぁ!ライブ行きたかったぁぁぁ…」
「そ、そうですか…。仕方ないですよ。そういうこともありますよ…」
「まー、ライブ行けたとしても…このリングブレス、受注生産限定で、結構お値段高いからさー…。買えたかどうか分かんねぇけど…」
ずーん、と落ち込む天方部長。
「はぁ、辛い…。つらたにえん…」
…つらたにえんって何ですか?