そして、再び学校に登校したのは、その全国模試が終わった翌日のこと。




「…あっ!後輩君だ!」

「久し振りですね、小羽根さん」

「病気、もう治ったの?」

「大変だったな。お疲れさん」

放課後に調理実習室に向かうと。

天方部長、弦木先輩、久留衣先輩、佐乱先輩の順で、僕に駆け寄ってきた。

本当に…。その節は…。

「えぇっと…。ご迷惑、ご心配おかけしました…。体調はもう、大丈夫です」

たっぷり休んで、全国模試も終わりましたし。

今日からは、また通常運転である。

「いやぁ、肝を冷やしたぜ。学校にピーポー車が来たかと思ったら…」

「運ばれてる人にめちゃくちゃ見覚えがあったので。俺は二、三回目を擦りましたよ」

「す、済みません…」

先輩方もびっくりしたでしょうね。学校にいきなり救急車が来て。

誰が運ばれてるのかと思ったら、自分達の後輩なんだから。

…本当にご心配おかけしました。

「もう大丈夫なの?治った?」

「はい…。お陰様で」

「そっか。良かったねー」

よしよし、と久留衣先輩が僕の頭を撫でてくれた。

ありがとうございます。

「それにしても、まさか学校で倒れて病院に担ぎ込まれるとは。入学早々、とんでもないことやりやがったな、後輩君」

うっ…。

そ、それを言わないでくださいよ…。自分が一番よく分かってます。

今日学校に登校して、まず真っ先に職員室に行って。

迷惑をかけてしまった先生方に謝りました。

申し訳無さと恥ずかしさで、顔から火が出そうでした。

「前日の時点で、めちゃくちゃ顔色悪かったもんな。そりゃそうもなるだろ」

「死にそうな顔で問題集と戦ってましたもんね」

うぐっ…。

そ、それを言わないでって…。

「勉強を頑張るのは結構だが、でも限度ってものがあるからな」

「それはもう…痛いほど思い知りました…」

先生方にも先輩方にも、加那芽兄様にも大層迷惑をかけましたからね。

肝に銘じます。

「で、全国模試の方は?どうなったんだよ。受けたのか?」

「あ、はい。昨日、受けてきました…」

「結果は?」

「来月末には、結果が郵送されるそうです…」

…まぁ、前日までベッドで寝込んでいて、勉強出来なかったので。

結果の方は、あまり期待してませんけど。

でも、それらを含めて、今の自分の実力ということで納得しよう。