「ふーん…。後輩君は真面目だなぁ…」

「お前が不真面目過ぎるだけだけどな」

佐乱先輩、容赦がない。

「そういうことなので…。申し訳ないんですが、試験の日まで、部活の時間は勉強してても良いですか…?」

大変失礼な、図々しい申し出だということは分かっている。

でも、僕は勉強の時間を無駄にしたくはなかった。

「許さん!…と言いたいところだけど、自分も鬼じゃないからな。許す!存分に勉強すると良い」

居丈高に腕組みをして、天方部長は許可を出してくれた。

「ありがとうございます、天方部長…」

「自分は心の広い部長だからな!このくらい、何でもないってことよ」

「…赤点取った奴に偉そうにされても、説得力ないよな…」

「ちょ、李優君!?それは言わない約束だろ!?」

…。

…これを機に、天方部長も部活の時間に自主勉強をしてはどうだろう。

…まぁ、それは僕が口出しをすることではないけれど…。

ともあれ。

勉強させてもらう許可を得られたから、良かった。