自分も加那芽兄様のように…と、僕ごときが願うのは、やはり分不相応だったということだ。

…本当に、つくづく自分が情けない。

やっぱりいちご大福なんか食べてる場合じゃなかった。

あの時間も、真面目に試験勉強に取り組んでいれば…。

「まぁ、元気出せよ。4位だって決して悪い順位じゃないんだから」

佐乱先輩が、そう慰めてくれた。

…ありがとうございます。

「よしよし、元気出してー」

久留衣先輩も、優しく僕を励ましてくれる。

先輩達の優しさが、傷ついた心に沁みますね。

「そんなに悔しいなら、今度は期末試験で頑張れば良いじゃないですか。鉛筆コロコロのコツを伝授しますよ」

弦木先輩も、弦木先輩なりに励ましてくれたけど。

鉛筆転がしのコツって何ですか。ただ運に任せて鉛筆を転がすだけでは…?

「マジかよ。そのコツ、是非自分に教えてくれ」

真剣な表情で教えを請う、天方部長。

…部長は鉛筆転がしの腕を磨いていないで、まずは真面目に試験勉強に取り組むべきなのでは?

…ともあれ。

先輩方の励ましと慰めのお陰で、少しは気が晴れた。

終わってしまったものは、もうどうしようもない。

弦木先輩の言う通り、期末試験では名誉挽回出来るように、地道に勉強しよう。






…などと、軽く考えていられたのは、この時までだった。