そう言って表示された注文書は、明らかに別ソフトで作成された注文書だった。どちらもミナモト社の注文書だと言うのに、その二つは似ても似つかない。

「まったくの別物……よね?」

 葉月の呟きに秀が頷く。秀はもう一度タブレットをタップした。

「ついでに、こちらが株式会社竹内が使用していた注文書です」

 そこに現れた注文書は「ミナモトの不正の証拠」とされる注文書と同じ見た目だった。そこにはしっかりと「株式会社竹内」と社名が入っている。

「先ほど俺が『馬鹿なんですか』と申し上げた理由はこれです」

 タブレット上に「不正の証拠」と「株式会社竹内の注文書」が並ぶ。

「これ、同一の注文書ですよね」

 証拠を突き付けられた竹内の口がカクカク動く。

「いや、違う、これは……」
「これは株式会社竹内がミナモトをおとしいれようとした証拠です」
「違う! 違う! ミナモトだ!」

 往生際の悪い竹内はうるさかった。大人の地団駄は見苦しい。

「じゃあ、いちから説明しましょうか」

 秀が淡々と語り始める。