葉月は家政婦と共にリビングへ向かう事にした。家政婦は葉月を見て目を細めている。
「さすがはお嬢様でございます。今年も主役の座を射止められて、奥様もご主人様もお喜びになると思います」
「そうね。おかげで私、幼稚園から高校3年生までずっと主役なのよ! 白薔薇学院はじまって以来の快挙なんですって」
頑張ってきた甲斐がある。勉強もスポーツも交友関係も、すべて完璧にこなしてきたからこそ射止めた主役だった。
意気揚々と葉月はリビングのドアを開ける。
「お母様、聞いてください! 私、今年も文化祭で」
勢いよく話し始めた葉月だったが、部屋の雰囲気を察してすぐに口をつぐんだ。
広いリビングの中央では、大きなソファーに腰かけた母が髪を振り乱し頭を抱えている。
「お、お母様? どうしたのですか」
葉月は恐る恐る母に近づいて、ソファーの前方が見えたところで足を止めた。
「さすがはお嬢様でございます。今年も主役の座を射止められて、奥様もご主人様もお喜びになると思います」
「そうね。おかげで私、幼稚園から高校3年生までずっと主役なのよ! 白薔薇学院はじまって以来の快挙なんですって」
頑張ってきた甲斐がある。勉強もスポーツも交友関係も、すべて完璧にこなしてきたからこそ射止めた主役だった。
意気揚々と葉月はリビングのドアを開ける。
「お母様、聞いてください! 私、今年も文化祭で」
勢いよく話し始めた葉月だったが、部屋の雰囲気を察してすぐに口をつぐんだ。
広いリビングの中央では、大きなソファーに腰かけた母が髪を振り乱し頭を抱えている。
「お、お母様? どうしたのですか」
葉月は恐る恐る母に近づいて、ソファーの前方が見えたところで足を止めた。