翔が由亜の隣に腰を下ろし、ペットボトルを手渡すと、一気にゴクゴクと半分まで飲んでしまう。

その仕草を1番近くで見つめながら、カッコいいなと密かにきゅんと心踊らす。

よっぽどぼぉーっと見つめていたのか、翔と目が合いフッと笑われる。そのまま顔が近付いて来て、触れ合うだけの軽いキスを落とされる。

「由亜が緊張すると俺も緊張する。」
苦笑いしながらぎゅっと抱きしめられ、翔の香りで一杯になる。

「このパジャマよく似合ってる。…綺麗だ。」

「これが正解でした?翔さんが着て欲しいだろうと思うものを選んだんですけど…。」
恥ずかしそうにはにかみながら由亜は答えを探る。

「正解だ。だけど、恥ずかしがって着てくれないと思ってた。」

「意外でしたか?」
ふふふっと笑う由亜は、まだ酔いが残っているのだろうかと思うほどで、心配になり少し体調を伺う。

おもむろに耳下リンパを探ってしまうと、
「翔さんて、たまにお医者様みたいに探りますよね。」
と、またふふふっと由亜が軽く笑う。

「バレてたか。」
翔も笑い返し、そっと額に瞳に頬にキスを施す。

そして、唇に…。緊張をほぐすように何度となく降り注ぐキスに溺れてしまう。

気付けばベッドにこてんと転がり、翔に組み敷かれていた。

「少しでも怖いと思ったら言ってくれ。ぶっ叩いてでもいいから止めろよ。」
これまで我慢していた分、溢れ出した感情は既に理性を吹き飛ばしそうだ。

「大丈夫です。…緊張はしますけど、翔さんを怖いと思った事は一度も無いです。」

そう由亜が告げると、それが引き金になったのか急速に深いキスが降り注ぐ。

口内を蹂躙されて、舌を絡められ、それだけで息が上がってしまう。

触れられるたびに身体が勝手にビクビクと反応して、声が漏れてしまうから、由亜はそれが恥ずかしくて、必死になって声を殺す。

「…声抑えないで、聞かせて。」
男の色気に当てられて、身体じゅうが真っ赤に火照る。

気付けば、ネグリジェの前ボタンが半分まで外されていて、

「…触るよ。」
と、直で触れられビクンと身体が反応してしまう。

「嫌だったか?」
由亜の身体が反応するたびに、翔は手を止め顔色を伺う。

「…大丈夫です…ただ、慣れなくて…心配しないで、続けて。」
主導権は翔にあるようで由亜にある。

いつだって、どんな些細な事だって、こうして翔は由亜の気持ちを慮って大事にしてくれる。

触れられて煽られて、既に自分が自分じゃないような、不思議な感覚に翻弄され、荒くなる息や、ジンジンと熱くなる下半身、自分ではもう制御不可能だ。

気付けばネグリジェは脱がされて、とても恥ずかしい格好を晒していた。

さすがに恥ずかしくて両手で胸を隠してしまう。

「恥ずかしいです…電気消して…。」
ただでさえ間接照明の薄暗い中、これ以上消すと何も見えなくなってしまう。

それでも翔は由亜の要望を聞き入れて、ベッドサイドの照明だけを残して全て消してくれる。

窓からは眼下に街の灯りが瞬き浮かび上がる。
由亜は思わず窓の方に目を向けて、

「綺麗…。」
と、呟いてしまう。

「綺麗なのは由亜の方だ。」
そっと頬に手を当てて顔を動かされて、目が合う。

「よそ見しないで、俺だけ見てろ。」
優しく微笑み咎められ、胸を隠していた両手をシーツに縫い止められる。

まるで標本のようだと由亜は思い、また恥ずかしくなる。

「そんなに見ないで、恥ずかしい…。」

「その要望は聞いてやれない。」
翔はしばらくその姿を堪能するかのように、じっと見つめられる。

触れられるよりも、ある意味恥ずかしい。

「翔さん…お願いだから…。」
羞恥心だけが顔を出して、何度もお願いしてしまう。

見られてるだけなのに…下半身が触れられる時よりも熱くなる。

由亜はその後も翻弄されて煽られて、何度となくイカされてしまい、気付けば意識を手放していた。