「そうだ、海斗バトル戦しようぜ!」

「別にいいけど……僕は強いよ」

すると、突然思い立ったように俊君は挑戦状を叩き付けると、不敵な笑みを浮かべてそれを受け取る海斗さん。

そして、私が持っていたコントローラーを渡すと、今度は二人の真剣勝負が始まり大いに盛り上がりを見せていく。

ずっと母親と二人で暮らしていた為、こんなに家の中ではしゃぐことは初めての私。

少しの戸惑いもあるけど、とっても嬉しくて、心地よくて。

始めは別世界の二人と暮らすことに不安で仕方ななかったけど、今なら上手くやれる自信が持てる気がする。


私はカーテンの隙間から覗く満天の星空を見上げると、遥か遠い空にいる母親に向かって、そっと心の中でそんなメッセージを送ったのだった。