「そういえば、俊君ってなんで高校生から下宿してるの?」

大学生ならまだ分かるけど、高校生で親元を離れるとはあまり聞いたことがない話に、私は首を傾げる。

「俺はプロのサッカー選手になるのが夢で、今通ってる学校を選んだんだよ。うちの学校はサッカーの超名門校だから。けど、距離的に家からじゃ通えなくてさ。そしたら母親の伝手でここを紹介してくれたんだ」


俊君は視線をテレビに向けたまま、淡々とした様子で教えてくれた話の内容に、思わず感嘆の声が漏れる。


まさか、同じ高校生でここまで自分の夢に真っ直ぐ突き進んでいくとは。

彼の類い稀な行動力に私は開いた口が塞がらない。