「「やった、倒したっ!」」
同時に私と俊君の歓喜の声が重なる。
「こいつから取れる素材結構レアなんだぜ。加代、今のはファインプレイだったな」
それから、こぼれ落ちた素材を嬉しそうに回収しながら、初めて私のプレイを褒めてくれた俊君。
「ゲームってこんなに面白いんだね。ずっと無縁だと思っていたけど、教えてくれてありがとう俊君」
これまでこんな風に男の子と遊んだ経験がない為、新たな分野に踏み込んだ新鮮さと高揚感で胸が一杯になり、私は満面の笑みでお礼を伝えた。
「やっと笑顔になったな」
「え?」
すると、何の脈絡もなく突然言われた俊君の言葉に面を食らい、その場で固まる。
「いや……来た時からお前ずっと表情硬かったじゃん」
そう言うと、俊君はバツが悪そうに私から視線を外した。
「とりあえず、大丈夫そうで安心した」
そして、どこか大人びたような。
とても温かい眼差しをこちらに向けると、俊君はやんわりと微笑んでみせた。