◇◇◇




「……ほんっとに下手くそだなあ」


やはり予想していた通り。

先程から敵にやられてばかりの私に、俊君は痺れを切らしてしかめっ面を向ける。


「しょうがないじゃん。ゲームしたことないんだもん」

始めこそ俊君との距離感に緊張していたけど、なかなか敵を倒せないことに段々と苛立ちを感じてきた私は、ムキになりながら口を尖らせた。

そんな中、俊君の援護もあって、なんとか次のステージに進めたが、思わぬ所で私達は巨大な強敵に出くわしてしまった。


「くそっ、こいつなかなか倒れねえ」

歯を食いしばりながら俊君は接近戦で何度も攻撃を繰り返すが、敵のステータスはなかなか減らない。

一方で、私は無駄に回りをチョロチョロ動いていると、偶然にも丁度身を隠せる場所に辿り着き、ここぞとばかりにマシンガンをぶっぱなす。


すると、上手いことダウンをとり、敵が気絶したところを俊君は一気に攻めこんだ。

「加代ナイスっ!」

そして、二人で急所を一点集中で狙うとあれよあれよという間に敵の体力は削られ、ついに巨体のモンスターは地面へと倒れた。