「本当にうちの子だったらなあ。玲子さんにお願いして、期間延長してもらおうかな」

すると、隣に座り新聞を広げていた伯父さんが、これまた穏やかな表情でこちらに視線を向ける。



伯母さんに負けないくらい落ち着いて、常に温厚な伯父さん。


大手会社の取締役を務めているだけに、貫禄があり、仕事に行くときは髪を後ろに固めて黒いスーツ姿を着こなしているけど、普段はポロシャツにジーパン姿と。

まるで優しいお父さんみたいで、父親がいない私にとっては、とても心休まる存在。

「私も伯母さん達の子どもになってもいいかなあ」

そんなこんなで、冗談混じりに応えてみたけど、満更でもない気持ちが見え隠れして口元が緩み出す。

こうして私は、伯母さんがいれてくれた紅茶を堪能しながら、三人で会話を弾ませていた時だった。