「……あの」

 
すると、海斗さんは何事もなかったように視線を前に戻す。

「ごめん、まじまじ見ちゃって。磨けば光る子につい目がいっちゃうのは昔からの癖なんなよね」


そして、何食わぬ表情でそう答えると、海斗さんはギアを切り替えて車を発進させた。


一体どういうことでしょうか。


再び頭の上に無数のクエスチョンマークが復活し、私はただ目を瞬かせる。

「昔からその人に合ったスタイルを考えるのが好きなんだ。だから、いまいち自分を出しきれてない子を見るとウズウズするんだよね。加代ちゃんみたいな子は特に」

そんな固まる私に対し、今度は心溶かす程の柔らかい笑みをこちらに向けてくる海斗さん。