「……はあ、はあ」

肩で息をしながら、走ってきた方向に目を向ける。

裏門は、人でごった返してた正門と違い、人気がなくとても静かだった。

暫く呼吸を落ち着かせる為、その場に佇んでいると、段々と罪悪感が湧いてくる。


……どうしよう、逃げてきちゃった。

でも、あの状況じゃ仕方ないよね。


それよりも、海斗さんがモデル!?

そんな話、一言も聞いてないよっ!



「ひどいなあ加代ちゃん、思いっきりシカトするなんて」

「きゃあっ!」


突然背後で響く声に、私は今にも心臓が飛び出しそうなった。

びくびくしながら振り向くと、そこには先程大勢の女の子に取り囲まれていたはずの海斗さんが立っていた。

服のシワが目立って見えるということは、大分もみくちゃにされてしまったのか。