「……なるほどね」

事情を聞いた恵梨香は、腕を組ながらしかめっ面で頷き、ようやく解放された私は安堵の息を漏らす。


「それで、その早川俊と櫻井海斗っでどんな奴なの?」


しかし一息ついたのも束の間。
再び向けられた射抜くような鋭い眼差しに、私はまたもや体が萎縮してしまう。


「えっと、いい人達だと思うよ。気さくだし、優しいし。……ただ」

「ただ?」


最後の言葉に恵梨香の整った眉がピクリと動く。

「二人とも格好良すぎて……凄く困る」

私は自分の顔が火照ってくるのを感じると、声が段々と萎んでいくように消えて、しばしの間沈黙が流れた。