女子生徒達の会話が未だ脳裏に焼き付いて離れない。
あの場に立ち止まらなければよかったと、今更ながら後悔の波が押し寄せてくる。
けど、もしかしたら遅かれ早かれその話はいずれ耳に入って来るのかもしれない。
なにせ学校一人気者の岡田君だもん。
そんな話に女の子が騒がない訳がないよね。
私は足早に歩くペースを徐々に落としながら、深いため息をついた。
「あっ、ちょっと!」
その時、恐らく自分に向けてなのか、背後から呼び止められた声に私は立ち止まる。
名前を呼ばれた訳ではないので、何となく視線を向けると、その先にはクラスメートの男子がいた。