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伯父さんの粋な計らいにより、何とか登校時間に間に合った私は、ひと段落した後、職員室へと足を運んだ。


「失礼しました」

一通り用事を済ませ、入り口前で深く一礼すると、職員室の扉を静かに閉めた。


そして、担任教師に渡された書類に目を向けた途端、思わず深いため息が漏れる。



母親の都合により急遽決まった引っ越し。

本当にたった一日の出来事で、今までにないくらいの疲労感が一気に押し寄せてくる。

そして、気持ちの整理は今でも全く出来ていないまま。


恐らく一般的な女子ならイケメン二人組と同居という、なんとも非現実的な展開に舞い上がるのかもしれないけど、私にとっては憂鬱でしかない。


こんな卑屈で根暗な女が、あんな別世界の超絶光属性の人達と果たして上手くやっていけるかどうか……。


これからの同居生活に不安しか感じられない私は、重い足取りで渡り廊下を曲がろうとした時だった。