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「……はあ~」



暖かい日差しが降り注ぐ屋上で、私は自分で作ったお弁当を広げながら盛大に溜息を吐いた。


「だから、人の前で溜息吐くなよ」

その隣では、私の作った玉子焼きを頬張りながら、ゆう君は呆れた眼差しを向けてくる。


「だって寂しいんだもん。海斗さんも俊君も居なくなって。もう、直ぐには会えなくなっちゃったし」


同居生活を終えた日から、ずっとこんな調子の私。

その内、立ち直っていくんだろうなと思うけど、暫くはこの空虚な気持ちを引きずり続けるかもしれない。


それくらい、私にとってあの二人の存在は大きかったから。


すると、今度はゆう君が深い溜息を吐き、手に持っていた箸を置いた。

「……まあ、俺としては、ようやく安心出来るってとこなんだけどな」

そして、ぽつりとそう呟いた途端、私の肩に手を伸ばし、そのまま自分の方へと引き寄せる。


「あいつらには至らないかもしれないけど、お前の側にはずっと俺がいる。俺が、いつまでもお前を守るから」

そして、真っ直ぐな眼差しで、ゆう君は私の目を見つめてきて。

その力強くて逞しい言葉が、落ち込んでいる私の心にじんわりと染み込んでくる。

「そうだね。私達はこれからも、ずっと一緒なんだよね」

そう思えると、段々と元気が出てきて、私は自然と笑みが溢れた。