__数ヶ月後。





沢山の人達が忙しなく行き交う空港内。


私と伯母さんと伯父さんと俊君と。

皆んなでフランスへと旅立つ海斗さんを見送ろうと、ゲート前で立ち止まる。

私と伯母さんは朝から涙ぐんでて、泣くまいと必死になって涙を堪えているけど、そろそろ限界かもしれない。


「それじゃあ、今まで本当にお世話になりました。向こうへ行っても、たまに手紙を送りますね。もちろん、加代ちゃんや俊にも」


ゲート前で海斗さんは伯母さん達に深々と頭を下げた後、いつもの爽やかな笑顔を私と俊君にも向けてくれた。

「確か、フランスにはご両親も居るんだよな。あの二人にも宜しく言っといてくれ。それと、向こうでも頑張るんだぞ」

そう言うと、伯父さんは海斗さんの前で左手を差し出し、熱い握手を交わした。

「体には気を付けてね。日本に帰って来た時は、いつでも立ち寄りなさい。ここがあなたの第二の家なんだから」

そして、伯母さんは堪えきれず涙を零しながら、海斗さんの首元に抱き付いた。

「二人とも……本当にありがとう」

海斗さんは言葉を詰まらせながら、伯母さんの背中を軽く叩く。

その光景が、本当の親子のようで、私まで必死に堪えていた涙を溢してしまった。