今朝は、早起きして海斗さんと一緒に家を出た私。


初デートということで、海斗さんには少しだけメイクをしてもらい、髪もコテで軽く巻いてくれたりで。

それから、以前恵梨香に見立ててもらった白のリボン付きブラウスに、薄いピンクの花柄フレアスカートを履いて、今日は完全な甘めスタイル。

それだけ、このデートに気合いを入れてきたものの、やっぱり恵梨香達の方が気になってしまい、ゆう君には申し訳ないけど、あまり集中出来ない。


すると、すぐ側で人の気配を感じた途端。
ゆう君の長い指が突然伸びてきて、無理矢理顎を持ち上げられる。

その瞬間、視界がゆう君で一杯になり、唇を塞がれてしまった。

不意討ちのキスに、私は頭の中が真っ白になり、目を見開いたまま硬直する。


まるで時が止まったのかと錯覚する程の長いキス。


それから、ようやく唇が解放されると、私はその場で卒倒しそうになるのを、すんでのところで堪えた。


「お前は人の事ばっかり考え過ぎだ。少しは俺のことも見ろよ」

未だ焦点が定まらない私と目線を合わせ、少し拗ねた態度を見せるゆう君。

人目を気にしない大胆なキスのお陰で、意識は一気に引き戻され、激しく鼓動を鳴り響かせながら、私は彼の言ったことに無言で頷いた。