「お前なあ、そういう不意打ちはマジで勘弁しろ」

そして、何故かつっけんどんな態度で怒られてしまい、その意味がよく分からない私は首を横に傾げる。

その時、突然手首を掴まれ、思いっきり引き寄せられた瞬間。

頬に熱くて柔らかい感触があたり、私はその場で動きが止まってしまった。


それから、俊君はそっと私の頬から唇を離し、これまた満足げな表情で顔を覗き込んでくる。

「あんまり俺を煽るなよ?」

そして、悪戯な笑みを浮かべて、一向に固まる私に警告をしてきた。



ゆう君、ごめんなさい。


不可抗力とはいえ、今のは私が無防備過ぎました。


そう心の中で謝罪すると、私は熱くなる顔を隠すように、返答することも忘れ、思わず俊君から顔を背けてしまったのだった。