その十数分後にゆう君と落ち合い、私達は電車に揺られて待ち合わせ場所まで向かう。

ゆう君はいつもと変わらず平然としているのに、何故か私の方が緊張してしまい、先程からずっと落ち着かない。

まるで、父親に彼氏を紹介するみたいで、徐々に早まっていく鼓動を抑えながら、私達は自宅の最寄駅で降りた。

それから、駅前の公園まで足を運ぶと、既にそこには学ラン姿の俊君が足を組みながらベンチに座って私達を待っている。


「……よっ、おかえり」

そして、こちらの存在に気付くや否や、俊君は軽く手を挙げると、ベンチから立ち上がった。

「ごめんね。待たせちゃったかな?」

私は俊君の元へ駆け寄ると、申し訳ない気持ちに頭を下げる。

「いや。俺もさっき来たところだし、気にすんな」

そう言ってやんわり微笑むと、私の後ろに立っているゆう君の方に視線を向けた。

「それより、丁度良かった。俺もあいつと話したかったんだ」

それから真顔になると、歩を進め、ゆう君と対峙する位置で立ち止まる。

「ようやく素直になれたんだな。てめえのせいで、どれだけ加代が傷付いたと思ってんだ?」

まるで威嚇するように、ゆう君を睨み付ける俊君。

何だか今にも殴りかかりそうな雰囲気に、私は内心ひやひやしながら二人を見守った。

「それに関しては本当に申し訳ないと思っている。俺が不甲斐ないばっかりに、加代を苦しめた」

しかし、ゆう君はひるむ事なく、堂々とした出立ちで俊君の目を真っ直ぐと見据える。