早川君といい、海斗さんといい何でこうもイケメン揃いなんだろう。

こんな華やかな人達に囲まれると、私のみすぼらしさがとても際立つし、女を捨てたこの格好で二人の前に立つなんて、穴があれば入りたい程恥ずかしい。


なんとかなる、なんて思っていたけど……。
数分前の自分の考えがいかに甘かったか、今になって思い知らされる。

今まで男の人には全く触れずに過ごしてきたのに。
これから一年間、度が過ぎた二人のイケメンと同じ屋根の下で生活しなきゃいけないなんて、私にとっては聳え立つ巨大な城壁を乗り越えるくらい難関なこと。


……ああ、お母さんお願い!

今すぐアメリカから戻ってきてっ!


私は既に日本を出て今頃アメリカの空を飛んでいるであろう。遥か彼方へと旅立ってしまった母親に向かって、切実にそう願ったのだった。