それから直ぐに手鏡を見た途端、俊君の言っている意味がそこでようやく理解出来た。

首筋にはっきりと映る赤い跡。

しかも、よく見ると反対側にもうっすらと何箇所か付いている。


これが、世に言うキスマークというものなのだろうか。

名前は聞いたことあるけど、実際目の当たりにしたことはないので、初めて自分にそれが付いているのかと思うと体が一気に熱を帯びていく。

同時に激しく首に絡みついてきた俊君の顔が脳裏に浮かび、私は恥ずかしさのあまり、思わず鏡を机に伏せた。


確かに、これは絶対誰にも見られたくないし、理由を聞かれても答えられるわけがない。

兎に角、跡が消えるまで伯母さん達や、海斗さん達に決してバレないよう、徹底的に隠し通そうと。私は心に決めたのだった。