確かに、俊君の言う通りだと思う。
またゆう君に近付けば、恐らくもっと傷付くかもしれない。
それに、ゆう君は俊君に託した。
私を守って欲しいと、手放した。
だから、もうここで身を引いてしまえば、俊君にこのまま縋り付いてしまえば、きっと楽になれるのかもしれない。
……けど、それを自分自身が許さない。
星空の下で誓ったあの頃の想いを、絶対無駄にはしたくないから。
「ごめんね、俊君。それでも私は、ゆう君のこと諦めたくないの」
だから、私は俊君の気持ちを振り切り、意固地になって突っぱねる。
俊君は守ろうとしてくれてるのに。
傷付く私に寄り添ってくれようとしているのに。
それでも、その手を取ることは出来ない。
俊君にもけじめをつけなくてはいけないから。
例え、恩を仇で返そうとも。
それが余計に辛くて、再び溢れてくる涙に私は両手で顔を抑えた。