あの頃と同じように、この満点の星空の下で、私はまた誓いを立てる。
これからも、この想いが消えることのないように。
すると、不思議と気持ちは穏やかになり、ずっと渦巻いていた闇がいつの間にか消え、さっきまで悩んでいた事が嘘のように思えてくる。
そして、私は拳を強く握りしめて、真っ直ぐ前を向いた。
けじめをつけなきゃ。
帰ったら、自分の気持ちを俊君にはっきり伝えよう。
俊君を傷付けるのは嫌だけど、大切だからこそ、迷わずにちゃんと言わなきゃいけない。
そう心に決めた私は、澄み渡る空気を思いっきり吸い込んだ。
やはり七月と言えども、山奥の夜は冷え込み、肌寒さを感じる。
時間も遅いし、相原さんのことも気になるので、そろそろ引き返そうと踵を返した時だ。
ふと誰かの話し声が聞こえ、辺りを見渡す。
すると、奥の草木の隙間から垣間見えた二人の陰。
恐る恐る近づいてみると、見覚えのあるシルエットに、私は心臓がどくんと震えた。
そこに居たのは、うつむき加減の相原さんと、向かいに立つ渡辺君の姿。
今正に告白をしようとする雰囲気に、いけないと思いつつも、二人の行末が気になりすぎて、その場から動けなくなってしまった。
私は気付かれないよう身を潜め、盗み聞きしている罪悪感に駆られながらも、手に汗を握り、固唾を飲んで様子を伺う。