そう思った瞬間、一筋の涙がこぼれ落ちる。

好きで好きで堪らない気持ちが止めどなく溢れてきて、胸が苦しくなって、私は身を縮こまらせた。


会いたい。

今すぐゆう君に会いたい。


それだけしか、考えられなくて、頭の中で何度も叫ぶ。


せっかく果たすことが出来た約束。

奇跡が起きた瞬間を、私は何でもっと大切にしなかったんだろう。

幼い頃、あんなに強く願っていたことが叶ったというのに。

危うく、私はそれを手放してしまいそうになった。

今は、大好きなゆう君とまた一緒にいられるチャンスを、必死に掴み取らなくてはいけないのに。


震える体を抑えて、私は再び夜空を見上げる。


虫の声しか聞こえない、静寂なひと時。

時折吹く冷たい風が、徐々に心をなだめてくれる。

私は気持ちを落ち着かせるために、大きく深呼吸をした。