「付き合ってないよ。そうなれればいいけど……まだ、片思い止まりなんだ」
気恥しそうに教えてくれた相原さんは、ふと遠くの席で友達と楽しそうに会話をしている渡辺君に視線を向けた。
「去年からかな。部活で何度も顔を合わせているうちに、いつの間にか好きになってて。それで、ある日、匠君からこの研修の話を聞いて、今年は私も一緒に行きたいと思ったから、勉強凄く頑張ったんだ」
そう熱く語る相原さんのひた向きさに心を打たれた私は、思わず動かしていた手が止まる。
自分と同じ片思いの恋。
だけど、相原さんは一生懸命に渡辺君へと突き進んでいて。
少し前までは自分もそうだったのに、今ではそれが遠い昔のように思えてしまい、何だか虚しさが込上がってくる。
すると、突然俯いて黙り込んでしまった相原さんに、どうしたのと声を掛けようとした矢先。
「……あ、あのね山田さん。私、今日この研修で匠君に告ろうと思うの」
顔を真っ赤にさせながら、震える声でそう宣言してきたことに、私は一瞬目が点になる。
「凄くいいと思う!きっと成功するよ!向こうも相原さんのこと意識してるっぽいし!」
それから、徐々に興奮してきた私は、周りの目も気にせずつい声を張り上げてしまった。
「山田さんもそう思う?匠君、私の事、好きでいるのかな?」
「思うよ!だって最初に二人を見た時、てっきり付き合ってるのかと思ってたくらいだもん。大丈夫、自信持って!」
そう照れくさそうに視線を泳がす相原さんが、とても可愛くて。
私は満面の笑みを浮かべ、ガッツポーズをしてみせる。
海斗さんにかなり鈍感だと言われた私がそう思うのだから、おそらく間違いない。
それに、非日常での告白は成功率が上がると。
以前恵梨香から教えてもらったので、きっと上手くいくはず。
だから、自信を持ってそう後押しすると、相原さんは嬉しそうに表情を緩ませる。
「ありがとう、山田さん。私、頑張るね!」
そして、相原さんもまた、同じようにガッツポーズをつくり、大きく頷いたのだった。
気恥しそうに教えてくれた相原さんは、ふと遠くの席で友達と楽しそうに会話をしている渡辺君に視線を向けた。
「去年からかな。部活で何度も顔を合わせているうちに、いつの間にか好きになってて。それで、ある日、匠君からこの研修の話を聞いて、今年は私も一緒に行きたいと思ったから、勉強凄く頑張ったんだ」
そう熱く語る相原さんのひた向きさに心を打たれた私は、思わず動かしていた手が止まる。
自分と同じ片思いの恋。
だけど、相原さんは一生懸命に渡辺君へと突き進んでいて。
少し前までは自分もそうだったのに、今ではそれが遠い昔のように思えてしまい、何だか虚しさが込上がってくる。
すると、突然俯いて黙り込んでしまった相原さんに、どうしたのと声を掛けようとした矢先。
「……あ、あのね山田さん。私、今日この研修で匠君に告ろうと思うの」
顔を真っ赤にさせながら、震える声でそう宣言してきたことに、私は一瞬目が点になる。
「凄くいいと思う!きっと成功するよ!向こうも相原さんのこと意識してるっぽいし!」
それから、徐々に興奮してきた私は、周りの目も気にせずつい声を張り上げてしまった。
「山田さんもそう思う?匠君、私の事、好きでいるのかな?」
「思うよ!だって最初に二人を見た時、てっきり付き合ってるのかと思ってたくらいだもん。大丈夫、自信持って!」
そう照れくさそうに視線を泳がす相原さんが、とても可愛くて。
私は満面の笑みを浮かべ、ガッツポーズをしてみせる。
海斗さんにかなり鈍感だと言われた私がそう思うのだから、おそらく間違いない。
それに、非日常での告白は成功率が上がると。
以前恵梨香から教えてもらったので、きっと上手くいくはず。
だから、自信を持ってそう後押しすると、相原さんは嬉しそうに表情を緩ませる。
「ありがとう、山田さん。私、頑張るね!」
そして、相原さんもまた、同じようにガッツポーズをつくり、大きく頷いたのだった。