それから程なくして全体指示が終わり、私達は予め割り当てられた部屋へと一旦向かう。
幸いにも、クラスが近い相原さんとは同部屋になり、それぞれ荷物を片すと、ホテルの最上階にある一般用会議室へと集まった。
どうやらここは研修特化型ホテルのようで、広々とした会議室にはプロジェクターまで設置されている。
私は予想以上の立派な会場に圧倒されながら、指定された席へと座った。
そして、始まった研修交流会。
配られたカリキュラム通り進行され、先ずは両校の先生方の挨拶と、各自己紹介。
ただ皆んなの前で名前を言うだけなのに、それだけで心臓が飛び出る程暴れだし、改めて自分の小心具合を身に沁みて感じる。
こうして、しどろもどろになりながら、何とか自己紹介を終えると、ようやく本題へと突入した。
順番はくじ引きで決まり、発表時間は、一人約十分弱くらい。
私の順番はくじ運がいいんだか、悪いんだかで四番手とかなり前の方になり、雑念が入るような余地はなく。
一人また一人と発表が終わるにつれて、心拍数は徐々に上がっていく。
そして、ついに迎えた自分の番。
私は震える足を抑えて、おもむろに教壇へ立つと、小さく深呼吸をし、用意した資料をホワイトボードに広げて淡々と説明を始めた。
説明自体は、時間を掛けて作り上げた資料をただ読んでいるだけなので、難しいことではないけど、問題は最後の質問タイム。
どんな厳しい質問が飛んで来るかと冷や冷やしていたけど、結局は誰も手を挙げる人はおらず、発表は呆気なく終わった。
ろくに練習なんてしてこなかったので、最後の最後まで不安だったけど、こうして事なきことを得て、私はほっと胸を撫で下ろしながら、自分の席へと戻る。