「初めまして。山田加代です。……というか、なんで、私の名前を知ってるんですか?」

とりあえず、私も軽く自己紹介をしてから、すかさず質問してみる。

「そんなの当たり前じゃん。だって後夜祭で目立ってたし、あの超絶美少女白石さんの親友だし、なんたって紺野さんに続く二人目の岡田君の幼馴染でしょ?もう、殆どの人が知ってるよ」

すると、相原さんは何故か鼻を鳴らしながら意気揚々と答え、私は暫しの間呆気に取られた。


まさか、そこまでの知名度とは全然知らなかった。

確かに、私の周りには目立つ人が多いけど……。

それに付随して自分も人目置かれていると思うと、何だか恐れ多いやら恥ずかしいやらで複雑な気持ちになる。


「それより、山田さん。今日明日一緒に行動していい?この研修会知り合い居なくて、心細かったんだ」

すると、明るい表情から一変して、不安げな目を向けてくる相原さん。

それはこっちも同じなので、こうして話せる人が出来た喜びに、私は快く首を縦に振る。

「もちろん!これから、よろしくね」

そして、改めて相原さんと挨拶を交わし、こうして研修が本格的にスタートした。