「……あの、すみません」

すると、突然誰かに声を掛けられ、そこではたと我に返った私は、勢いよく前を向く。

「もしかして八組の山田さんですか?」

視線の先には、私と同じ制服を着た小柄なショートカット姿の女の子が立っていて。

何故私のことを知っているのか疑問に感じながらも、徐に首を縦に振ると、女の子はにこりと微笑み、空いてる隣の席に座った。

「私二年六組の相原真由美。私も今回の研修に参加するんだ。だから、よろしくね」

そう言って満面の笑みを向ける彼女は、まるで小動物のような可愛らしさで。

くりっとしたパッチリ二重がとても印象的で、明るく人懐っこい雰囲気に、少しだけ緊張の糸が緩む。