「なに?どういうこと?あんた達いつの間に和解してんの?」

いまいち状況が呑み込めない恵梨香は、彼女の後ろ姿を見送ってから、不服な表情で私に視線を戻す。

「う~ん、和解って訳じゃないんだけど……」

恵梨香にはまだ文化祭での出来事を話していないので、何て説明すればいいのやら。

話せば長くなるし、見たところまだ部活中みたいだし……。

「あっ、それじゃあ今日一緒に帰ろう。私これから図書室で研修会の課題やらなきゃいけないし」

一からのスタートなので、おそらく一時間以上はかかると思う。

だから、時間的にも丁度いい気がして、私は笑顔で提案してみた。

「加代、代表に選ばれたんだ。すごいじゃん。でも、あれってめっちゃ面倒くさそうだよね」

「本当それ。内申に響くのはいいんだけどさ」

出来ることなら辞退したいけど、誰でも出来るものでもないし、進路に影響があるなら有り難く引き受けるしかないと。

再び襲って来た憂鬱感とプレッシャーに、私の肩はどんどん下がっていく。

一先ず、部活が終わったら連絡を貰う約束をして、私は恵梨香とその場で別れ、図書室へと向かった。