__話は遡ること数十分前。
私は、数日前に先生からあることを言い渡され、図書室に向かっていた。
それは、来週に迫る研修交流会のための課題作り。
私立であるうちの学校には、姉妹校が幾つか存在し、毎年文化祭が終わったこの時期に、各学校から選出された生徒達だけの交流会が伝統的に行われていた。
ただ、学年合わせて十数人の成績上位者しか対象ではないので、この行事は生徒達の中ではかなり盛り上がりの度合いが低い。
私も他人事のように全く気にしていなかったのに、まさかの代表に選ばれてしまったのだ。
しかも、一泊二日という長丁場の研修会。
多少レクリエーションなんかも盛り込まれているらしいけど、全くの見ず知らずの人達と二日間過ごすなんて、私には苦痛でしかない。
言い渡された課題もかなり複雑だし、当日までは暫く図書室に篭りっきりの日々になりそうだしで。
せっかく文化祭の準備から解放されたのに、また放課後時間を削られるのは、本当に勘弁して欲しい。
そんなこんなで、重い足取りで廊下を歩いていると、突然背後から名前を呼ばれた。
振り向くと、そこには知らない顔の女子生徒が二人。
しかも、初対面なのに何故か思いっきり睨み付けられている状況。
そこで私は勘付いた。
ついに、岡田ファンが動き出したんだと。
女子達は詳しい要件は言わず、とにかく体育館裏へ来いと語尾強く言われ、拉致られた先には既に十人近くの女子達が鬼のような形相で待機していて。
逃亡しようにも、逃げ道を塞がれ身動きが出来ず。
__そして、今に至る。