どうしよう、今でも凄くドキドキしてる。
海斗さんに触れられる時もそうだけど……。
でも、なんかちょっと違うような。
海斗さんとはまるで兄妹みたいな感覚でいられたけど、俊君はどちらかと言うと……。
「はい、お待たせ。ご飯出来たわよー」
すると、不意に伯母さんの軽快な声が聞こえ、そこではたと我に帰った私は、慌ててキッチンへと戻る。
今自分は何を考えていたのだろう。
もし、あのまま伯母さんが声を掛けなかったら、思考があらぬ方向へと進みそうだったような……。
頭の中が混乱していく中、それは絶対に有り得ないと。
無理矢理脳を切り替え、私は出来上がった料理を次々と食卓に並べていく。
そうこうしていると、早々に仕事を切り上げてきた伯父さんも帰ってきて、久々の全員揃った夕食に、私は少しだけ気分が晴れた。