「何してんの?」

不意打ちの如く、頭上から降って来た声に私達は肩が大きく震えた。

振り返ると、そこにはバックを持ったまま目を細めてこちらを見据えている海斗さんが立っていて、俊君は慌てて私から手を離した。

「なっ!海斗、てめえいつからそこに居たんだよ!?」

「ちょっと前かな。ていうか、俊。見境なく加代ちゃん襲うの止めてくれる?」

海斗さんは呆れた顔でそう言い放つと、私の両肩に手を置き、更に俊君から引き離した。

「別に襲ってねえだろ!ったく、いるならいるって早く言え!」

バツが悪くなった俊君は悪態をつくと、不貞腐れた様子でソファーに座り直した一方。

私はこれまでのやり取りを海斗さんに見られてしまった恥ずかしさで、思わず俯いてしまう。