それから一日の授業が終わり、真っ先に帰宅した私は、今日も伯母さんの隣に立って夕飯の支度に励む。

「伯母さん、このお皿に盛り付ければいい?」

「うん、お願い。やっぱり女の子がいるといいわね。伯母さん、昔からこういうの憧れてたの」

重量感たっぷりの肉野菜炒めを作り終え、近くにあった大皿を指さすと、横でこれまた大量の鶏肉を揚げている伯母さんは、うっとりした眼差しを向けて微笑んでくる。


ようやく文化祭の準備から解放され、再び自分の時間が持てるようになってから、私はこうしてほぼ毎日伯母さんの手伝いをしている。

というか、実家に居る時も夕飯作りは当たり前だったので、普段の生活に戻ったと言うべきか。

実家の時はいつも母親の帰りが遅いので、こうして誰かと料理をするのは何年振りだろう。

これまで一人で居ることに不満を感じたことはなかったけど、伯母さんの家で暮らすようになってから、誰かが常に居てくれるのはとても有難かった。


「私も、久々に誰かと料理する楽しさを思い出したの。だから、これからも伯母さんには沢山の料理を教わりたいな」

なので、その気持ちを全面に出して満面の笑みを見せる。

「ああ、加代ちゃん!寂しくなったらいつでも伯母さんの所に来なさいね」

すると、突然伯母さんから熱い抱擁を受け、何やら少しこそばゆくなった私は、今度ははにかみながら、ゆっくりと頷いた。