「ねえねえ、二人とも可愛いね」

その時、背後から聞こえた若い男性の声。

すぐさま振り返ると、そこには他校の制服を来た男子生徒二人がいつの間にか立っていて、何やら妖しい笑みを浮かべながらクラスメートの女子達に近寄ってくる。

「メイド服超似合うね。俺ら君達に案内してもらいたいな」

二人とも背はそこそこ高く、顔はそれなりに整っているけど、何だか軽そうな雰囲気に私はあまり好感が持てず、少し距離を置いた。

「でも、あたし達呼び込みあるから、ここを離れられないんです」

「後ちょっとしたら終わるんで、一緒に回りませんかぁ?」

一方、当の女子二人には刺さったようで、普段よりも声のトーンを一段高くし、猫なで声で話し始める。

こうして、私を置き去りにして盛り上がっていく四人。

なるほど。

出会いの場は、こうやって作られるのかと。

隣で感心しながらも、完全に忘れられてるこの状況に疎外感を覚え、さっさと何処かへ行ってくれないかと切に願っていた時だった。