恵梨香みたいな女の子なら心配だけど、私みたいな人間なら別に一人暮らしでも構わないのではと。

ふとそんな考えが一瞬横切ったけど、そういうわけにもいかず。

それを解決しようと伯母さんに相談したら、快く首を縦に振ってくれたそうな。



母親の実家で暮らす伯母さん夫妻。


母方の祖父母は二人とも早期に亡くなってしまい、当時長女と三女は家庭があったので、子供がいない次女が家を引き継ぐことになったそうだけど、二人で暮らすには部屋を持て余す程かなり広い。


幼い頃はよく泊まりに行ったりもしていたから、そこでお世話になるのは全くもって心配はしていないのだけど……。


「そういう大事なことはもっと早く言ってよっ!」

力強く拳を握り、尤もな訴えを母親に向ける私。

まったくだ、とその隣で同調してくれる伯父さんと伯母さん。


「ごめんね~、あまりにも急な話に色々バタバタしてて、言うタイミング逃しちゃった」

三人の非難の視線を浴びながらも、全く動じることなく笑顔を崩さない母親に、私はなんだか拍子抜けしてしまい、がくっと肩を落とす。