「それから君を変えて、綺麗になった加代ちゃんを見た時は、まさに唯香そのもので暫く言葉が出なかった」

確かに。

言われて思い出したけど、変化を遂げた私を見た瞬間、海斗さんは固まっていたっけか。 
 
その意味もようやくここで解明出来、改めて思い返すと、何だか感慨深いものを感じる。


「その時確信したよ。加代ちゃんは僕のせめてもの罪滅ぼしなのかなって」

そこまで話すと、海斗さんは急に真剣な面持ちへと変わり、私の頭にそっと手を置いた。

「ごめんね、僕のエゴを加代ちゃんに押し付けて。でもね、ただ唯香に似てるからって理由だけじゃない。こんな僕を頼ってくれる君を、必死でもがいてる君自身を、僕は全力で守りたいんだ」

そして、力のこもった、真っ直ぐな眼差しが、私の瞳を捕らえる。

こんなに人から強く思われることには慣れていないので、正直少しだけ戸惑ってしまう。


だけど、海斗さんのその言葉は素直に嬉しくて、とても頼もしくて。

満たされる気持ちに、私は満面の笑みで首を縦に振った。