「……あ、伯父さん、伯母さんお久しぶりです。突然だったからビックリしちゃった」

それから、はたと我にかえった私は、失礼がないように、動揺しながらも深く頭を下げる。

「さて、これで皆そろったし、お姉ちゃん、博紀さんご飯にしましょう。…あ、加代お茶入れよろしくね」

するとその後ろで母親はパチンと両手を叩き、伯母さん伯父さんの背中をぐいぐいと押しながらダイニングテーブルまで誘導した。


……そういうことか。


私は一連の流れに、ようやく頭のモヤモヤが引いた。


今日は何故かは分からないけど、伯母さん達が来る日だったんだ。

しばらく会わなかったから、まさか遊びに来てくれるだなんて夢にも思わなかった。


伯母さんはお母さんの二番目の姉で、小さい頃はよく伯母さん夫婦にお世話になっていて、菩薩のような優しい二人が私は昔から大好きだ。

二人に子供はいないけど、いつまでも仲睦まじい夫婦に幼い頃から憧れを抱いて、いつか自分もそういう人と結婚したいと思ったのは遥か遠い昔の記憶。


けど、それならそうと前日にでも言ってくれればよかったのに。

伯母さん達に会うのは凄く久しぶりだから、知っていれば私も何か振る舞ったのに……。