そう確信すると、私は拳をきつく握りしめ、目を閉じてからゆっくりと深呼吸をした。

「……うん、分かった。呼び方、元に戻すね」

それから、心が決まったところで、はっきりとそう答える。

これで、ようやく十年前の関係が再び動き始めたようで。

そして、ようやく彼と正面から向き合えたような気がして。

満ち足りた気持ちに私は自然と笑みが溢れた。

そんな穏やかな空気に包まれる中、防災無線から夕暮れ時を告げるチャイムが流れ始め、聞き慣れた曲と女性の声が街中に響き渡る。


十年前と何も変わらない光景。

そして、私の側にいる愛しい幼馴染。

この幸せなひと時が、永遠と続けばいいのに。