「なんで俺を見て逃げ出したんだよ。しかも、二回も。流石に傷付くだろ」

確かに、おっしゃる通り。

理由はどうあれ、人の顔を見て逃げだされれば当然不快に思うはずだ。
ましてや、幼馴染に。

自覚はあったけど、面と向かって訴えられると、心が更に痛む。

やはり、ここは正気に話した方がいい気がする。

このまま誤解されて、岡田君と余計な距離を作りたくない。
 

「あ、あの。私あの頃と変わっちゃったから。……凄くダサくて、暗くなって……幼い頃と全然違くなっちゃったから、岡田君に会うのが怖くて……」


それから、勇気を振り絞ってぽつりぽつりと胸の内を語り出す。

まさか、この気持ちを本人の前で話す日が来るなんて。


けど、全て話し終えた頃には、心の奥に引っ掛かっていた蟠りが少しだけ解けたような気がして。

少しだけ、すっきりとした気持ちになった。