まさか、岡田君がそんなことを思っていたなんて、これまで全く想像もしていなかった。

つまり、私達はお互いすれ違ったまま、ずっと不安を抱えていたということで。

つくづく、あの時声を掛けていればと。後悔してもしかたないけど、悔やまずにはいられなかった。

「それと、もう一つ、ずっと聞きたいことがあったんだけどさ」

すると、急に真顔になった岡田君はこちらの方へと向き直して、私は背筋がピンとのびる。

「あのさ……」

しかも、何やらやけに深刻な表情で凝視されてしまい、条件反射で脈打つ鼓動が徐々に早くなっていく。

「俺、加代になにかした？」

「……へ？」


そして、一体何を言われるのかと思いきや。

全くの予想だにしていなかった彼の問いかけに、私は思わず間の抜けた声が出てしまった。